Alexei Sultanov: Live in RIGA
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1989年のヴァン・クライバーンコンクールの優勝、1995年のショパンコンクール最高位といったキャリアを持つ天才ピアニスト、アレクセイ・スルタノフの新しいCDが発売されます。今回のCDは、過去の来日でも披露した、得意のリストのソナタやショパンのマズルカに加え、スルタノフが敬愛したという、ホロヴィッツの編曲が入っています。録音は、スルタノフ夫人であるDace Sultanovの出生地である、バルト三国のラトビア共和国の首都リガでのライブ録音になっています(そのため一部音割れなどがあることをご了承下さい)。スルタノフ特有の超越した音楽性は、このライブCDの中にもたくさんつめこまれており、スルタノフファンには本当に嬉しい一枚です。スルタノフファンの皆様にはもちろんのこと、一度もスルタノフを聞いたことがないという皆様にもぜひともきいて頂きたいCDです。
ブックレットでは、スルタノフ夫人に語ってもらった、ホロヴィッツコンサートにおけるスルタノフとの出会いや、スルタノフがホロヴィッツ家に招待されたときのことなどを記述しました。ホロヴィッツといえばカムバックというのもキーワードの一つですが、スルタノフのカムバックも期待して、「ホロヴィッツ伝説再び」のキーワードを作りました。
高い潜在性で、将来を期待されていたスルタノフでしたが、残念なことに2001年2月に入院をし、左半身麻痺の生活を送っています。現在も、見えないところで、毎日必死にリハビリを黙々とこなしていますが、まだピアニスト復帰への道は見えません。何度も繰り返した入院や、日々の各種のリハビリ(物理療法、作業療法、言語療法に加えて、乗馬や水泳など、よいとされることには積極的に取り組んでいます)のため、経済的に問題があるのもまた事実のようです。
音源は、日本のファンがスルタノフ夫人から個人的にもらったものでしたが、私たちから、彼らへ、経済的貢献がもっともできる方法として、この自主制作を選択しました。自主制作にあたっては、スルタノフ一家と相談をし、了解を頂いたもので、彼らもこの日本からの支援に感謝をしてくれているようです。このCDの売り上げによる、全ての利益はスルタノフ一家へ寄付されます。また、CDの製作にあたっては、ジャケットの製作や、サウンドマスタリング、楽曲解説の記述など、全てこの活動に同意をして下さったボランティアの支援によって作られました。スルタノフ夫人や、彼らの友達であるバーバラさんも協力してくださり、写真や絵を提供してくれました。